お金の問題点とは2016/03/17 11:07


 お金というのは、とても便利なものです。その便利なお金も万能ではありません。問題点もたくさんあるのです。




 それでは、お金にはどのような問題点があるのでしょうか。



 ミヒャエル・エンデ

 お金の問題点の話をする前に、映画の話をします。『ネバーエンディング・ストーリー』という子供向けのファンタジー映画を見たことがある人は少なくないと思います。1984年に西ドイツ・アメリカで制作・公開された映画なので、若い人たちはあまり知らないかもしれませんね。


とても面白い映画なので、子供と一緒にワクワクしながら見た記憶があります。あの映画の原作者であるミヒャエル・エンデの事を知っている人は、意外に少ないのではないでしょうか?


エンデは、児童文学作家として有名ですが、実は哲学者としても有名な人なのです。エンデのお金についての研究も有名で、エンデに言わせれば、お金に利子がつくことが、貧富の差を産む原因になっていると言っています。



 貧富の差を生む原因

 エンデの考え方を説明するために、エンデの言葉を引用します。

『私が考えるのは、もう一度貨幣を実際になされた仕事や物の実態に対応する価値として位置づけるべきだということです。そのためには現在の貨幣システムの何が問題で何を変えなければならないかを皆が真剣に考えなければならないでしょう。人間がこの惑星上で今後も生存できるかどうかを決める決定的な問いだと私は思っています。重要なポイントはたとえばパン屋でパンを買う購入代金としてのお金と株式取引所で扱われる資本としてのお金は2つの全く異なった種類のお金であるという認識です。』


 エンデが何を言いたいのかというと、パン屋でパンを買う購入代金としてのお金は、物々交換の代わりに使うお金という意味です。つまり正当な労働に対する対価として支払われるお金です。


一方、株式取引所で扱われる資本としてのお金は、いわゆるあぶく銭です。お金を儲けるために投資したお金ですから、不労所得で得られるお金です。


正当な労働に対する対価として支払われるお金と不労所得で得られるお金とが同じであることに問題があると言っているのです。これこそが、貧富の差を生む原因だとエンデは考えています。



 エンデの言う通りなのですが、現実社会はその矛盾を抱えたままなので、投資で利益を上げたいと考えている人は、不労所得で得られるお金を増やすことを考えるしかありません。しかし、投資で儲けたお金を使う時には、このことを思い出してほしいのです。


投資で儲けたお金は大切に扱われることの方が少ないように思います。豪遊したり、無駄遣いしたりする傾向があります。それも社会への還元なので悪くはありませんが、できれば寄付などをする方が、気持ちがいいですし、喜ばれることは間違いありません。

お金は悪魔?2016/03/18 11:38

 お金を持つと性格が変わってしまう人がいます。たいていの人が変わってしまうようです。まさにお金は悪魔です。なぜ、お金を持つと人が変わってしまうのでしょうか。

 お金持ちになるとお金が欲しくなってしまいます。もっともっと増やしたくなるのです。お金持ちなのに、なぜお金をもっと欲しがるようになるのでしょうか。不思議ですよね。



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 お金儲けは錬金術と同じ

 『エンデの遺言-(根源からお金を問うこと)』河邑 厚徳著を読むと、その理由がよく分かります。『お金』に対するエンデの考え方を知ってもらうために、引用してみます。

「お金を作りだし、増やしてゆくのは、錬金術のやり方にきわめて似ています。錬金術は人間の欲望が作り出したものです。錬金術は、鉛から金を作りだそうというものですが、ありふれた鉛を金という価値のあるものに変えてゆくという考え方は、現代にも通じるものでしょう。通貨を印刷し、さらに利子がそれを増やしてゆくわけですから。そのお金が一人歩きし、自然環境やモラルに影響を与えています。お金を考えるとき、モラルの問題を忘れてはなりません。お金には倫理的問題が存在するのです」。

 さらに、「金利ともインフレとも無縁な貨幣」の著者で、建築家でもあるマルグリット・ケネディが、お金について、次のように説明しています。

「利子は未来へ問題を先送りしています。このまま利子が膨れ上がってゆくとしたら、計算上遅かれ早かれ、大体2世代後に、経済的な破滅か、地球環境の崩壊かのいずれかへと突き当たります。それが根本問題です。このシステムから利益を得ているのは、ほんの一握りです。今のアメリカでは、人口の1%が、その他の99%よりも、多くを所有しています。つまり、一方でどんどん貧しくなる国があり、自然環境も奪われ続けています。その一方で、少数の者たちが広大な利益を吸い上げてゆく、それが今の経済システムです。」



 資本主義の終焉

 このブログを読んでいる人は、私も含めてお金の増殖機能の恩恵に預っている幸せな人達です。もし、お金に増殖機能がなかったならば、投資で利益を上げるということはできません。なぜなら、そのような市場が必要ないのですから。

エンデに限らず、『資本主義の終焉』を予測する人が多くなってきました。投資家の本間裕氏は2010年、社会学者の古田隆彦氏は2020年、そして、ハリー・S・デント・ジュニア氏は2015年頃になると予測しています。

私には、それが正しいのか間違っているのかを判断することはできませんが、今の経済や社会のシステムが機能しなくなってきていることを感じます。



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お金儲けは悪?2016/03/19 11:18


 東京というのは、本当に凄い都市だと思います。東京ミッドタウンや六本木ヒルズのような施設やビルが次々と建設され、どんどん姿を変えていきます。なぜこのようなことが起きるのかというと、お金が集まってくるからです。


それは東京だけでなく上海やドバイなどの大都市も同じです。しかし、よく見るとこれらの都市の景観は、ニューヨークや東京とあまり変わりがないと思っているのは私だけなのでしょうか?


東京ミッドタウンや六本木ヒルズのような施設が増え東京が変わっていくのが果たしていいことなのでしょうか?




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 日本の高度成長がもたらしたもの

 戦後の高度成長によって、日本は本当に豊かになりました。生活様式が一変し欧米化したことは誰もが知っていることです。豊かになったことはとても歓迎すべきことなのですが、日本全国どこへ行ってもあまり変わり映えしない都市の景観になってしまいました。


最近、地方の田舎の暮らし方が見直されています。それは高度成長によって失ってしまったものを取り戻したいという人が増えているからではないでしょうか。東京には東京らしい景観が、そして京都には京都の、長崎には長崎らしさが残っている方が旅行しても楽しいですよね。


私は高層ビルが立ち並ぶ景観は、どうしても好きになることができません。人々の求めているものが変わってきているとしか思えません。資本主義も終りに近づいているような気がします。




 資本主義の次に来るのは

 資本主義の次にくるのは、どのような社会なのでしょうか?

そのヒントがアルゼンチンやヨーロッパにあります。規模は小さいですが、もちろん日本にもあります。それは、『地域通貨』です。『地域通貨』というのは、円やドル(法定通貨と言う)などの中央銀行が発行している通貨と違って、市民の手で作ることができる通貨です。


簡単に作ることができる代わりに、その地域でしか使うことができません。もちろん、利子はつきません。したがって、貧富の差が拡大することはありません。


もう一つのヒントは、イスラム社会にあります。イスラム経の教えでは、利子は不労所得として禁止されています。それは、頭脳労働やリスクを伴わない所得とされたからです。なので、イスラムの銀行は無利子の金融機関として運営されています。


歴史を振り返ってみると、振り子と同じで、今正しいと考えられていることが大きく振り戻されて悪になるということがよく起きます。これから不労所得というのは悪だということになる可能性が高いのです。なので、金儲けそのものが悪になってしまうかもしれません。




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お金が殖えすぎた!2016/03/22 17:21


 今、世界中で、原油価格が暴騰したり、為替が大きく動いたり、我々の生活に大きな影響を与えるようなことが頻繁に起こっています。なせ、このようなことが起きるのでしょうか。


これらの現象は、すべてお金が世界中で暴れまくっていることが原因で起きています。つまり、世界中でお金が有り余っているのです。


それでは、なぜ世界中でお金が余るような事態になったのでしょうか。




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 金余りの原因は、ニクソンショック!

 銀行にお金を預けておけば、利子がついて自然に増えて行きます。これはお金には増殖機能があるからです。本来であれば、とても良い機能です。


世界は現在、ドルを基軸通貨とする制度をとっています。この制度に移行するまでは金本位制といって、、金(ゴールド)という裏付けがなければ、お金の量を増やすことができませんでした。


ところが、太平洋戦争後の1944年にIMF体制を作った時に、金本位制を止めドルを基軸通貨とする制度に変えたのです。この当時は、アメリカ合衆国が保有している金(ゴールド)と交換できる制度をとっていたので、やはりむやみやたらにお金の量を増やすことができませんでした。


1971年にアメリカがベトナム戦争後の財政赤字のために、ドルと金(ゴールド)との交換を停止してしまいました。いわゆるニクソンショックです。1971年を境に、ドルは何の根拠もない単なる紙切れになってしまったのです。


ドルというお金が成立する前提は、アメリカ合衆国の信用力だけなのです。今の国際通貨制度は、すべて各国家の信用の上に成り立っています。そのため、需要があれば、紙幣を印刷すればいいだけなので、いくらでもお金の量を増やすことができるのです。




 さらに金融緩和によって、お金の増殖が加速した

 悪いことは重なります。資本主義というのは、資本家が労働者を使って「利潤」を追求するというのが目的です。つまり、「お金儲け」が正義なので、お金儲けのために誰もが頑張るのです。その結果、お金がどんどん増えていくことになってしまったのです。


そして、ついには、お金の増殖機能がフルに働き始めます。金本位制のように、お金の量を縛られることがないので、お金を増やすために、いろいろなしくみが考えられました。その代表がデリバティブです。


デリバティブというのは、伝統的な金融取引から相場変動によるリスクを回避するために開発された金融商品です。先物取引もデリバティブです。商品や株の先物取引は、とても簡単ですし、鉱山や農場経営者にとっては必要なデリバティブです。


しかし、リスク分散が逆にリスクの拡散になってしまって大きな問題になったサブプライム・ローンなどのデリバティブ取引は、どう考えても異常です。その結果起きたのがリーマンショックです。リーマンショックによる景気減速を抑えるために、世界中で金融緩和を行い、お金を市場に供給することによって、金余りが加速しているというわけです。困ったものですね。





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お金の価値とは2016/03/23 10:54


 何故、人は『お金』を欲しがるのでしょうか?それは、お金の交換機能が欲しいからです。お金があれば、何でも欲しい物が手に入るからです。車だって、家だって、人の心まで買えると思っている人もいるくらいです。


お金のために殺人まで平気でする時代です。お金のためなら何だってアリの時代です。それほどお金に価値があるのでしょうか。




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 実体経済とマネー経済

 人は生きていくために働いてお金を稼がなければなりません。そして、その対価としてお金を手に入れ、生きていくために必要な食べ物や衣服などを手に入れます。そういう行為によって成り立っている経済を実体経済といいます。


それに対して、株や先物取引、FXなど、お金の取引を行う経済活動をマネー経済といいます。マネー経済というのは、お金の増殖機能が生み出した経済なのです。


 ここで少し経済学のお勉強をしてみます。「資本主義」とは何なのでしょうか?
インターネットで「資本主義とは?」を検索してみると、次のように説明されていました。

「封建制度の後を継ぐ人類社会の生産様式。商品生産が支配的な生産形態となっており,あらゆる生産手段と生活資料とを資本として所有する資本家階級が,自己の労働力以外に売るものをもたない労働者階級から労働力を商品として買い,それの価値とそれを使用して生産した商品の価値との差額(剰余価値)を利潤として手にいれるような経済組織。」


我々は今、この資本主義の時代に生きています。資本主義は、お金を儲けることが目的です。お金を儲けることが第一の経済なのです。




 資本主義の問題点

 資本主義の問題は、資本主義の産物であるお金が増殖しすぎてしまったことです。本間裕氏は、マネー経済は実体経済の100倍まで膨らんでしまったと言っています。お金が有り余っていることで、実体経済に悪い影響を与えていることが大問題なのです。


何故かと言うと、最近の商品や株の値段の動きを見ればよく分かります。ヘッジファンドなどは、お客様からお金を預って殖やすことが仕事です。お金の増殖機能を最大限に活用しようと、お金を殖やすために何でもします。リーマンショクを起こしたのもお金を増やすためでした。


これって、何か変ですよね。お金が有り余って困っている人と無くて苦労している人がいるなんて・・・。人は働いて得たお金で平穏に生活することができれば、それだけで幸せです。なので、お金の交換機能があれば十分なのです。




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